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運動靴がそら、舞い上がる直前のざわざわ

死体に雷が落ち、動き出して迫ってきたので真剣に走っていた。捕まるわけにはいかない。捕まればおそらく、ぼくは食べられるだろう。ばりばりと骨を噛み砕きながら、血を飲み、肉を食いちぎるのだろう。ぼくにはまだやりたいことが山ほどある。だから食べられるわけにはいかない。とりあえず走って逃げていた。死体はあまりはやく動けない。それはそうだろう、腐敗もしている。少し歩くだけで骨が剥き出しになった。さほど長くもたないだろう。冷静になり、死体の速度にあわせて走るべきなんだろうけれど、怖かった。したいが動き出すことが怖い。ぼくに迫ってくることが怖い。何の恨みがあって死体は寄って来るのか、聞いてみたい気もする。聞いたら最後、ぼくは食べられる。だから聞くわけにはいかない。今は全力で逃げることしかできない。ぼくは運動靴を履いている。それだけであればよかったが、この運動靴はぼくの足よりも一回り大きい。だから走るたびにすぽすぽと音が鳴っている。今にも脱げてしまいそうだ。それをかばいながら全力疾走しているぼくの潜在能力を感じてほしい。陸上関係者はぜひとも注目してほしい。死体との差はどんどん開いていく。いい兆候だ。少し速度を落とす。ふう、と息を吐く。気が緩んだとき、足に力が入り、運動靴は脱げてしまった。走っている最中に脱げるということは、靴はその勢いそのままに飛んでいく。同時にバランスを崩してしまう。砂煙が上がる。風が吹いてくる。スローモーションに見える。ぼくは大げさに顔をしかめてみせる。激しい音を立てて転ぶ。じきに死体がやってきてぼくを噛むだろう。一心不乱に食うのだろう。仕方ない。ぼくは負けたのだ。もう立てない。ぼくは寝転がる。さようならまだ見ぬ君へ、ぼくは最後のメッセージを残す。やがて死体がぽんとぼくの肩を叩き、うなづいてくる。なんというやさしい瞳だ。涙が出そうだ。
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