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虹を操る

虹を作る機械が作れた。利用法などは考えていない。なにかロマンチックなことに利用できるのではないかとぼんやり思っているだけだ。虹は大きさ長さも自在、場所も自在、色だって1色から10色まで、選び放題。これは売れる、売り出せば売れるに違いない。億万長者になれそうだ、虹なんていう実体のないぼんやりしたものを作って億万長者に慣れるなんて。当面の問題は制作費だ。一台制作するのに約10億かかってしまう。これだけはどうしても譲れない。けれども虹を作れるんだぜ、町にかけられるんだぜ?部屋にだってかけられるし、安いものだろ?10億の費用を誰が出してくれるかってこと。でもさ、例えば映画なんかで虹が必要なときに便利じゃね?映画関係の会社に売り込もう。

虹を作る機械っすけどいかがっすかー?と言いながら会社の中に入ろうとしたら警備員に止められた。いかん、こんな入り口で止められたら商売も何もない。なんとか入らせてもらわないと、と思っていったん下がり、ビルの陰に隠れて虹を出す機械を作動させた。虹が出現して警備員がそちらを見る。その隙を狙って会社に入ろうとした。止められた。いやだから虹を作ったのです、我は神なのです、どうか理解してください、虹を作れるのですよ、その汚らわしい手で触らないでください。いくら言っても警備員は聞く耳を持たない。彼にはロマンが足りないのだ、かわいそうに。もういちど下がり、虹の機械をいじくって、虹の角度をするどくした。警備員は眉をしかめながら虹を見ている。その隙に入ろうとした。警備員と目が合ったので会釈した。止められた。まったく、止めるということは神に対する冒涜であるぞ、と罵ったが警備員の目は怖い。

売り込むことはできない、ならば何の役に立つのだ、この馬鹿高い機械がいったい何の意味があるというのだ。まるで役に立たん。必要ない。研究室の戸を叩く音、よく聞いていると声が聞こえる。金、かえさんかい、と聞こえる。研究室の壁は薄いが、たとえ厚かったとしても十分に聞こえるほどの大きな声だ。たしかに製作に金が必要で、各方面から散々借りた。返さないといけない。一刻も早く返さないといけないのに、会社に入ることもできないのだ。バカバカしくなって機械をけり飛ばした。機械は固く、足はひどく痛む。虹の機械が作動する。虹が出現する。すると戸を叩く音が弱くなって、虹か、というつぶやきが聞こえる。溜息が聞こえる。遠ざかっていく足音。少し涙が出た。

翌日、研究室はショベルカーにつぶされた。
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