Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nayura06.blog27.fc2.com/tb.php/3900-5a20e5dd

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

雨の日の美術館

まだ、あかりがともっている。深夜、なのに。美術館は静かで、屋根を撃つ雨の音は、ここには届かない。霧に近い雨で、いっそのこと、降らないでもいいのに。あかりの下にいるのは若い女、少し離れて中年男、ふたりは何も話さないが深い絆で結ばれている。男女の仲というわけではない。ビジネスという、くくりで結ばれたとてもいい関係。実を言うと中年男はそんな関係から一歩踏み出して、さらに深い仲になりたいと考えている。いわゆる大人の関係。中年男には家族がある。6歳、3歳の子供と妻、これまでに平穏に暮らしてきた。何か不満があるわけではない。むしろ感謝している。これまでの人生に感謝し、これからもこのまますぎていきますように、と中年男は今年の初詣のときに願った。けれども、若い女は存在するだけで魅力的であり、中年男はなりふり構わず女を手に入れてしまおうと考えている。すべて失ってもいいのか?という問いが頭をぐるぐる回っている。わかっている。すべて失うのは痛い。たくさんの人を傷つける。子供はまだ意味をわからずに傷つく。考えただけで背筋が伸びる気がする。あの子を悲しませてはいけないと思う。が、同時に若い女の肉体を味わうことはそれに匹敵するほどの快楽だ。妻の肉体が悪いわけではない。衰えも含めて愛している。それとこれとは別物だ。中年男は空想する。できるかぎり詳細を空想する。靴下を脱がしたとき、足の裏についているゴミのひとつも、そこに存在するように空想する。シュミレーションを繰り返す。若い女はおそらく中年男に好意を持っている。それは確信している。だから誘えば乗ってくるだろう。もしかしたら内密にことは運ぶかもしれない。家庭を壊すことなく若い女を味わえる可能性はある。けれども、罪悪感よ、それに俺は蝕まれてしまい、結局のところ自分から破滅を招くだろう。そこまで空想している。展覧会は明日に迫っている。美術館はなおも沈黙している。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nayura06.blog27.fc2.com/tb.php/3900-5a20e5dd

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

なゆら06

Author:なゆら06
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。