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女の子は泣きながらドーナッツを食べる

ドーナッツは涙に湿る。粉砂糖が固まってしまうからその前に食べてしまう。油分を体が欲している。そしゃくも程々に飲み込むのだ。ドーナッツは粉っぽい。糖と油の組み合わせは最強だ。最強なのだ。ドーナッツがなくなったので、涙を拭いて家を出る。顔は少々荒れているが、かまわんよ、と彼女は胸を張る。女が悲しむ理由など星の数ほどある。

ドーナッツ屋にたどり着く。ドーナッツ屋はこの世の至る所にある。いつでもドーナッツを接種することができる。優しい。そう、現代は女に優しい世の中なのだ。
「いらっしゃませ、店内でお召し上がりですか?」
「持ち帰ります」
「かしこまりました、ご一緒に飲み物は?」
「珈琲を」
「アイス、ホットどちらにしましょうか」
「ホットで」
「ホットだとだいたい10分でさめてしまいます」
「大丈夫です、と彼女は答えるが家まで早くても20分はかかってしまう」
「20分かかるんですか?」
「ああ、いえ、さめてもいいんです、ほのかにあたたかければ」
「かしこまりました、950円です。店員はおそらくこの客の女はひとりでドーナッツを食べながら泣くのだろうなと予想する、すでに顔が腫れているし、化粧もあまい、この種の女は本能的にドーナッツをむさぼることを知っている」
「あたし、むさぼりません、と彼女は反論するが確実にむさぼっては泣き、むさぼっては泣き、を繰り返しているのだからその見立ては当たっている。正解。あたしはドーナッツをむさぼりながら泣くのよ悪い?」
「悪くはありません、が身体に良くありませんな、と紳士的な態度に出た店員はすでに異性として客を見ている。危険である。店員としての役割を演じることがお前のアイデンティティだろうが、主な人物としてしゃしゃり出るべきではない」
「けれど、昨今の映画事情よ、何でもない主人公がなんでもない日常を送る映画が高い評価を得ることもあるじゃない」
「それはね、元々実力のある人しかできない技であって、見よう見まねのぽっと出がまねしたらやけどするぞ」
「この場合のやけどは、熱による炎症ではなく、概念としてのやけどね、すいません、10000円で」
「小銭はねーのかよ」
「ありません」
「9050円のお返しです、ありがとうございました、胸、おっきいですね」
「よかった、正直それだけが自慢です」
「店員は微笑み頭を下げる、いつもより少し深く」
「彼女はドーナッツと珈琲の袋を取り店を出る、2月の空は低く唸っている」
「雨は上がった、蝉はじきに騒ぎだす」
「ドーナッツ弾んでいるのは君の走る街の風景はすべて置いてきぼり」
「帰らないんですか?」
「やっぱ店内で食べてきます」
「了解」
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