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紙食い虫

しろやぎさんからお手紙着いた。
何やら怪しい色のお手紙で、私はそれをじっと見つめた。
以前から、しろやぎさんは私に対して執拗ないたづらを仕掛けてくるしろやぎさんだ。
またなにか仕掛けがあるに違いない。
そういえば、あの部屋の隅にカメラが仕掛けてあるような気がしてくる。
私のリアクションを録画しているに違いない。
私はおもしろおかしくリアクションをした方がいいのだろうか。
それとも、一蹴すべきなのか。
そんないたづら、お見通しよ、と一蹴してしろやぎさんに引導を渡すべきだろうか。
わからない。
私は考えるくろやぎだ。
わからないが、うまそうだ。
ごまドレッシングをかけたら、ちょうどいい。
いやかけなくても、十分うまそうだ。
一口だけ食べてみるのも、やぎ冥利に尽きる。

くろやぎさんたらお手紙食べた。
予想通りのうまさだ、いや、予想をはるかに上回るうまさだ。
味はほとんどない。
ドレッシングもかけていないから当然だ。
けれどもそこはかとなく漂ってくる香りがある。
これはしろやぎさんの匂いかもしれない。
それに私は反応している。
うまいと脳がつぶやいている。
しろやぎさんは、あるいは私にむけて重要なことを伝えたかったのかもしれない。
その本能が、手紙に乗り移りて、それを食った私に語りかけているのか。
だったら、なおさら手紙を読んでから食うべきだった。
しかたがないのでお手紙書いた。
書こうとしたが筆が進まない。
私に非がある。
だから何よりもまず一言謝らないといけない。
けれども、私にもプライドがある。
欲望に負けて手紙を読む前に食ったのだとあっけらかんと言えたらなあ。
色々考えて私は、違うんだしろやぎさん、からはじめた。
『違うんだしろやぎさん。手紙を読まずに食ってしまって、その内容を知るために手紙を書いているわけじゃない。これはあくまでも生存確認だ。定期的に確認は必要だろう?手紙はもちろんうまかったよ、隅々まで一つ残らずうまかった。立派な紙だ。料亭のお通しかと思ったぐらいだ。あまりのうまさに思わず意識が飛んでね、前後の記憶がなくなってしまったんだ。手紙の内容がね、どうもあやふやなんだ。忘れたわけじゃないけれど、念のため教えてほしい』
そして最後に書き加えた。
さっきの手紙のご用事なあに。


くろやぎさんからお手紙着いた。
来たか!と思った。
俺は手紙を書いた。
電子メールが浸透して以来手紙など久しく書いていない。
その俺が手紙を書いたのだ。
返事が来た。
しろやぎさんはどう答えたのだろう、実に興味深い。
俺の手紙はシンプルだった。
時候の挨拶など知らんから、単刀直入に用件のみ書いた。
それは失礼だったかもしれぬ。
なんでも形式を重んじるしろやぎさんだ。
礼儀を知らぬやぎがと罵っているのかもしれない。
そう思うと手紙が開けない。
俺は繊細なやぎだ。
がさつだと思われているが、繊細で陰気なやぎだ。
やぎ以下だ。
そう、ひつじだ。
俺はしろひつじやぎたろうだ。
ダメな存在だ。
俺はダメだ。
くずだ。
くず。

しろやぎさんたらお手紙食べた
気づいたら手紙を食っていた。
無意識がそうさせた。
くずらしいことをしてやろうと脳が命令した。
手紙はうまくもない。
なにせひつじなのだから。
なくなってから、手紙の存在が俺に重くのしかかる。
くろやぎさんはどう答えたのか。
それを知るまでは、おちおち風呂も入れない。
背後にくろやぎさんの気配を感じてしまう。
なにせ黒だ。
楽太郎だって黒と言われていた時代がある。
よからぬことをみんなに言いふらすかもしれない。
しろひつじやぎたろうはやぎでもないのに手紙を食った。
読む前に食うなんざ、やくざのすることだ。
みんな近づかない方がいい。
それは避けたい。
俺だって群れたい。
孤独は毒だ。

仕方がないのでお手紙書いた。
返事を仮定した。
俺が書いた手紙の返事を仮定して、その返事を書いた。
スチールパンがきゅいいんと鳴ったのだ。
はっとした。
俺は馬鹿だ。
馬鹿なひつじだ。
群れを欲した。
ひつじだから仕方ない。
くろやぎさんに一矢報いる。
そう思って返事を書く。
わけわからんわ、と唸ればいい。
いや、おそらく、くろやぎさんは気にしないだろう。
なにも気にせずに、ただにゅうめんをすするだろう。
乙な味よ、とつぶやくだけだ。
群れたひつじがなんだという。
これは逆に危険。
思考は回り回って結論は出ないまま、ほとんど腕が勝手に動いて俺は一言だけ書いた。
さっきの手紙のご用事なあに。
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