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無花果味のガム噛んで3

客は来ず、それは僕が全く無愛想だから寄ってこないからで、やはり、僕は何も出来ない。と途方に暮れている。女の子がよってきて、千円札を差し出し、苺、とつぶやいた。僕は、苺でいいんですね?と聞き返して彼女がうんとうなづいてから、機械を回して、氷を削り、細かい氷の塊をプラスチックの陽気に盛り、そこに苺のシロップをとろりとろりとかけてやった。その間女の子は、じっとこちらの様子を、カキ氷ができていく様子を見つめている。弟の手を引いて、じっと見ている。何にも言わずに、しゃりしゃりという音を立てて削られる氷を、とろとろのシロップを見ていた。僕は少し、というかかなりおまけして、そのことは何も言わなかったけれど、きっと彼女はわかってくれたと思う。それから、はいどーぞ、とありったけの笑顔でカキ氷とおつりを手渡した。彼女は、ありがと、と小さい声で言い、やはり弟の手を引いて、人ごみに紛れた。僕は、何か大きな仕事をし終えたように、大きく伸びをした。花火の音が耳を突き刺す、僕はそれを、無花果味のガム膨らませて、やり過ごす。
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