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銀杏じじぃズ

銀杏じじいが対岸でひとつ伸びをして、ううんと唸り、どしんと音を立てて乱暴に寝転がったのを、私は少し離れて見ていた。銀杏じじいというのは、名前は知らないけれど、みんなからそう呼ばれているじいさんのことで、みんなといっても、私の周りのだいたい2、3人から呼ばれているだけなので、おそらく銀杏じじいと聞いて、誰も反応しないと思うから気をつけて。銀杏じじいは自転車に乗っていて、私たちが並んで歩いていると、銀杏の匂いを漂わせ、追い抜かしていく。私は、銀杏の匂いを知らなくて、酢の匂いやない?といったけれど、赤い眼鏡の春子があれは銀杏やわ、と譲らないので、銀杏じじい、ということになったわけだ。というても私は銀杏じじいを正面からちゃんと見たことがないような気がするし、いつも後姿しか知らないから、銀杏じじいを対岸に見かけたときに、あ、とすごく興味を持ってしまい、そのままなんとなく見ているのだ。変な子だと思われるかも知れないけれど、かまうものか。銀杏じじいが起き上がる。対岸と言っても、小さなドブ川なので、とても近くに見える。銀杏じじいは私のことなどちっとも気にせず、ぼぶという鈍い音の放屁をして、とめてあった自転車に跨った。そしてすぐに小さくなった。
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