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その5(ゲームマスター編)

「その5(ゲームマスター編)」

会場は燃えていた。
ゲームマスターたちの気合とテクニックに熱くなった会場はごおごおと燃えていた。
会場の一角にいるマグロは、ひときわ目立っていた。
当然である時価にして300万はするであろう立派な黒マグロであった。
マグロの周辺だけは人々が垂れ流したよだれのせいで温度は若干低かった。
マグロはその前足の指先を、穴子のごとく変幻自在に動かして、高度な技を繰り出した。
その度に、流れるよだれが会場を冷やした。マグロは対戦相手を寄せ付けることなく勝利した。
次の対戦相手である女の子がマグロを指差して言った。
「シゲ子さん、魚介類が触った後のコントローラーはぬるっとしてる」
マグロだと認識されなかった自分を恥じたのだろうか。
あるいは確かにぬるっとしているがそれは穴子のぬめりであると主張したかったのだろうか。
あるいは自らはヴァーチャルリアリティーであり、そろそろ夕飯の時間が来たので帰るのだろうか。
マグロはコントローラーの「一時停止」ボタンを押し、と博打場の仕切り役のように「よおござんすか?よおござんすか?」とあたりを見回し、巨大スクリーンに飛び込む。マグロは飲み込まれて画面の中二次元となり、降ってきたゲージ回復アイテムのほっかほっかご飯に醤油と生卵をかけて大変美味そうに口に運んだ。マグロのくちゃくちゃと咀嚼する音がサラウンドシステムの巨大なスピーカーから延々と流れた。
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