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「今後一切落書きしません」江戸期の反省文発見

「またやりやがったあのやろう、もう、ゆるさねえ」と五平は声を荒げて拳骨にはあと息を吐く。息を吐くことでしっかりあっためてあるぜいつでも殴りかかれるぜ、というアッピールである。五平は村の今年の教育指導係であり、その係になったものは問題のある子供の矯正をしなければならぬ。五平はアッピールする反面、めんどくせえことになったものだ、とため息をついた。落書きをした子どもは、確実に百生という青年で、百生は屈強な日本男児であり、大変悪知恵が働く村の厄介者あった。対して五平はひ弱なリスさながらチョロまかと動き、当り障りのない範囲で盛り上がるへたれであったから、怒りを向ける相手が悪い。がしかし、教育指導係としては動かなければ、教育指導係の報償が減る。確実に減る。さらに、非難ごうごうである、なぜ指導しないのか、とかなんとかいくらでも理由をつけて村人が煩い。かといって百生に食って掛かればそれはけちょんけちょんにさせて病院送りは確実である。なんとか、アッピールしておいて、みんな幸せになれる方法を模索した。あ、そや念書を書かせたらええんでないだろうか、五平は思いついた。書かせるといっても実際に書かせるわけではない。書けといって素直に書くわけがない。そこで書くような優等生ならば落書きなどせぬ。変に刺激しない方が良いだろう。つまり、書くのは俺だ、と五平はつぶやいた。五平が書いて、百生が書いたと言っておけば、いいじゃないか。ええじゃないか。五平はほくそえんだ。報償で何しようか、けっこう頑張ったんだから、自分へのご褒美で、ニンテンドーDSでも買おうかしら、と考えながら、念書をいくらか乱暴に、いかにも百男らしい字で書いた。
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